『 卒業(The Graduate)』 ダスティン・ホフマン主演 フォークソングの衰退をとめた20世紀の名作

公開日:  最終更新日:2023/08/08

映画『卒業(The Graduate)』は1967年のアメリカ作品で主題曲はサイモンとガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス(Sound of Silence)」が使われました。

映画 『 卒業 』 opening credits Theme Music  1967.

映画『卒業』 original sound track 1967.

元々はサイモン&ガーファンクル(Paul Frederic Simon and Art Garfunkel)のデビューアルバムに収録されていたアコーティック・ギターの伴奏だけであった曲です。このテープにオーバーダビングを施し、エレキギターとドラムをミックスさせシングルカットしたものを主題曲に使用しました。

映画『卒業』The Graduate 予告編 Trailer 1967.

サウンド・トラック盤のプロデューサーはデオ・マセロという人で本来はジャズの専門家ですが、この映画の場面構成に合わせ「四月になれば彼女は」「スカボローフェアー」「ミセス・ロビンソン」などの楽曲を効果的に編集しています。ギターの1弦の音までも巧みに効果音としていて実に見事です。

映画『卒業』より「四月になれば彼女は(April come she will)」

映画『卒業』より「スカボローフェアー(Scarborough Fair)」

「水曜の朝、午前3時」というアルバムは注目されることなく、サイモンとガーファンクルはファースト・アルバムを作ったあと活動を休止します。自身の思い通りにならなかったポール・サイモンは失意の中、独り新天地を求めロンドンに旅立ちました。

アメリカのFM局が無名であったフォーク・ソングの美しいメロディーを番組で紹介し、電波に乗せるとリスナーからの問い合わせが殺到してビルボード誌の第1位にランクされたのです。ポール・サイモンの許可を得ないでオーバー・ダビングした結果が功を奏したのです。

「四月になれば彼女は」は映画のために作曲されたものではありませんし、「スカボローフェアー」はイギリスのパラッド(民謡のようなもの)であり、歌詞から辿ると1670年代まで遡ってしまいます、また曲の方から調べると1891年に音源が存在します。サイモンとガーファンクルの曲調は1947年当時のものらしいのですが、録音機器があったわけではないので口伝えであり、定かではありません。

映画のために作曲された「ミセス、ロビンソン」は翌年、1968年に再収録されフルコーラス・バージョンができ、2つの音源が存在します。

映画『卒業』より「ミセス、ロビンソン」 original sound track 1967.

「ミセス、ロビンソン(Mrs,Robinson)」は2004年に発売されたAFI主催「アメリカ映画主題歌ベスト100」の第6位です。

映画 『 卒業 』 Ending Scene Film 1967.

主演のダスティン・ホフマン(Dustin Hoffman)はブロードウェイから映画俳優へ転身し、この映画『卒業』が2作目になりアカデミー主演男優賞のノミネートまで評価されました。2年後の1969年にも映画『真夜中のカーボーイ(Midnight Cowboy)』でノミネートをうけています。

映画『真夜中のカーボーイ』 original sound track 1969.

10年後の1979年には映画『クレイマー、クレイマー(Kramer vs.Kramer)』で主演男優賞を受賞、さらに1988年には映画『レインマン(Rainman)』で2度目の受賞に輝きました。

映画『クレイマー、クレイマー』 original sound track 1979.

映画『レインマン』original sound track  1988.

相手役を演じた女優のキャサリン・ロス(Katharine Ross)はこの映画『卒業』のほか1969年の映画『明日に向かって撃て!』が主要出演作になります。

映画『明日に向かって撃て!』 original sound track 1969.

下にある映画『卒業』のポスターはレンタル・サイトのTSUTAYAディスカスでレンタルする際に間違えないように直接移行いたします。スタッフ・キャストの紹介および あらすじ に加えレビュー投稿もご参考にしていただけると思います。ご活用ください。

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