『ジャズ・シンガー(The Jazz Singer)』 You ain’t heard nothin’ yet サム・ワーナーの魂の言葉

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1927年10月6日、映画会社ワーナー・ブラザースが命運をかけて制作した世界初のトーキー映画がこの『ジャズ・シンガー(The Jazz Singer)』です。

動画に音源を同期させる方法は単純で78回転のレコードを使用したヴァンタフォン(Vitaphone)方式が用いられました。監督にはアラン・クロスランド(Alan Crosland)が選ばれ、彼はトーキー映画における最初の映画監督となり歴史に名を残しました。

主演のアル・ジョルソン(Al Jolson)はブロードウェイの人気歌手からこの『ジャズ・シンガー』で映画界にデビューしました。音楽を担当したのはルイス・シルヴァース(Louis Silvers)ですが、有名な挿入曲である「マイ・マミー(My Mammy)」の作曲者はウォルター・ドナルドソン(Walter Donaldson)、作詞はジョー・ヤング(Joe Young)とサム・M・ルイス(Sam M. Lewis)です。

映画『ジャズ・シンガー』より My Mammy 1927. original source

翌、1928年には映画『シンギング・フール(Thinging Fool)』に主演し、サイレントからトーキーの時代の変遷を確実なものとした俳優となりました。

映画 『シンギング・フール』 original source 1928.

『ジャズ・シンガー』という映画の製作背景には二流映画会社だったワーナー・ブラザースの命運をトーキー方式に委ね、ユダヤ人が作り上げたハリウッドの地での巻き返しを図ろうという決意があります。

映画史上初となるセリフ You ain’t Heard nothin’ yet (お楽しみはこれからだ!)はこの映画『ジャズ・シンガー』にすべてをかけたワーナー兄弟、特に三男のサム・ワーナーの意気込みを表していると言われています。しかしサムはプレミア上映会の前日に亡くなってしまいました。上映会場にワーナー兄弟は誰も来ることはなかったのです。

1928年には世界初の全編音声付トーキー長編映画『紐育の灯(Light of New York)』が公開され大ヒットしました。ワーナー・ブラザースが現在に至るまでその名称Bro.を継続させている理由がここにあります。

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