『ル・ジタン(Le Gitan)』 未成年時代の影を映し出した作品
ジプシーの出身というだけで差別を受けてきた男ル・ジタン(Le Gitan)の憤りと反逆の人生をアラン・ドロン(Alain Delon)が演じた1975年のフランス映画です。監督のジョセ・ジョヴァンニ(Jose Giovanni)自らがアラン・ドロンという人物を取材、調査して書き上げた小説を映画化した作品になります。
映画『ル・ジタン』 original sound track 1975.
アラン・ドロンが4歳の時に両親が離婚し母親と一緒に過ごしますが、母の再婚がきっかけとなって居場所をなくします。学生時代には粗暴で問題児扱いされ留置されていたこともあります。居場所を求めて自らフランス海軍に入隊したのは未成年のまだ17歳の時でした。この入隊経験が、のちに銃のテクニックに生かされていきます。
映画 [『ル・ジタン』 予告編 Trailer 1975.
1957年に「カンヌ映画祭」の会場まで行き、ただふらつき歩いてスカウトされるきっかけを待っていました。1960年、ルネ・クレマン(Rene Clement)監督作品である『太陽がいっぱい(Plein Soleil)』で世界的な俳優へと一気に駆け上がっていきます。
映画『太陽がいっぱい』 original sound track 1960.
1973年にはジョセ・ジョヴァンニ監督による映画『暗黒街のふたり(Deux Hommes Dans la Ville)』に主演していて、アラン・ドロンを囚人にし、さらにこの『ル・ジタン』で過去の陰の部分を描いています。
映画『暗黒街のふたり』 original sound track 1973.
音楽を担当したのはクロード・ボリング(Claude Bolling)です。1970年の『ボルサリーノ(Borsalino)』も彼の楽曲です。
映画『ボルサリーノ』 original sound track 1970.
1975年にはこの『ル・ジタン』と映画『フリック・ストーリー(Flic Story)』の音楽を担当しました。
映画『フリック・ストーリー』 original sound track 1975.
1978年にはコメディー映画の『カリフォルニア・スイート(California Suite)』を作曲しました。
映画『カリフォルニア・スイート』original sound track 1978.
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