『ハスラー（The Hustler）』25年の歳月を経て続編がつくられるほど主演ポール・ニューマンに愛された作品

公開日：2020/10/17

映画『ハスラー（The Hustler）』は1961年のアメリカ作品でロバート・ロッセン（Robert Rossen）監督が手掛けた数少ない10本の作品の中でアカデミー作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートされました。脚本、製作ともにロバート・ロッセン監督がおこなっています。共産党員だった時期がありアメリカ映画界から追放された経緯があり、この映画『ハスラー』が復帰作品になったと言えるでしょう。ハリウッドでは映画製作をおこなっておりません。

映画『ハスラー（The Hustler）』予告編 Trailer 1961.

主演はポール・ニューマン（Paul Newman）、ほかジャッキー・グリーソン（Jackie Gleason）、ジョージ・C・スコット（George C. Scott）です。ジョージ・C・スコットはこの映画『ハスラー』でアカデミー助演男優賞にノミネートされましたが辞退しました。生涯をとおしてアカデミー賞を辞退し続けた唯一の俳優です。

映画『ハスラー』 Main Theme original sound track 1961.

音楽を担当したのはケニヨン・ホプキンス（Kenyon Hopkins）というアメリカ・カンザス州出身の作曲家で、別名としてOne of Jazz’s Great Composers and Arrangerの記載があります。映画音楽ではジャズを取り入れ独自の世界を作っています。

映画『ハスラー』 Bert’s Theme original sound track 1961.

この映画『ハスラー』はあえてモノラル・フィルムにこだわって製作されていて人生の輝かしい部分と挫折を賭け事であるビリヤードを通して描いています。主演のポール・ニューマン（Paul Newman）はアクターズ・スタジオ（The Actors Studio）というアメリカの俳優養成所出身の俳優で先輩にマーロン・ブランド（Marlon Brando）、同期にはジェームズ・ディーン（James Byron Dean）がいました。

映画『ハスラー』 Winner original sound track 1961.

「第２のマーロン・ブランド」という評価を受けていた時期があり、決して１番には成りえない俳優だと思われていた不遇の時代を経験しています。1955年の映画『エデンの東（East of Eden）』ではジェームズ・ディーン演じるキャルの兄、アーロンでの出演予定でしたが監督であるエリア・カザン（Elia Kazan）が却下しました。アクターズ・スタジオの中心的創設者はエリア・カザンです。

映画『傷だらけの栄光（Somebody Up There Likes Me）』 1956.

ジェームズ・ディーン主演予定で制作が決定していた映画『傷だらけの栄光（Somebody Up There Likes Me）』に急遽、主演でオファーされたことがきっかけとなって名優への道が開かれました。この時の役作りは相当なこだわりをもって臨んだそうです。

1961年の映画『ハスラー』では英国アカデミー賞男優賞を獲得し1983年にはアメリカ・アカデミー賞においてセシルB・・デミル賞（生涯功労者賞のような評価）受賞、さらに1985年にはアカデミー名誉賞を受賞しました。

映画『ハスラー２（The Color of Money）』 original sound track 1986.

1986年には25年の歳月を経て続編である『ハスラー２（The Color of Money）』が公開されトム・クルーズ（Tom Cruise）が弟子役で共演しています。音楽を担当したのはジェイミー・ロイヤル・“ロビー”ロバートソン（Jaime Royal “Rpobbie”Robertson）です。この映画『ハスラー２（The Color of Money）』でポール・ニューマンは初めてアカデミー主演男優賞を獲得しました。

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