『ガス燈(Gaslight)』心理的虐待を表現する用語Gaslightingとはこの作品から生まれた。
映画『ガス燈(Gaslight)』には1940年に製作されたイギリス版と1944年に製作されたアメリカ版があります。アメリカ版の製作会社はMGMでイギリス版を一掃する目的で作られた経緯があります。どちらも内容は同じであり原作はパトリック・ハミルトン(Patrick Hamilton)の戯曲を映画化したものです。ここでは1944年、MGM製作のよる『ガス燈(Gaslight)』を紹介します。
監督はジョージ・キューカー(George Dewey Cukor)で夫の策略的会話によって翻弄されていく妻が自信喪失していく過程を恐怖感によって表現しています。心理的虐待と言える状態から脱却し自分自身を取り戻した時の輝きの強さをガス燈の炎に重ねた描写が見事な作品です。
映画 『ガス燈(Gaslight)』 予告編 Trailer 1944. MGM製作
精神的に追い詰められていく妻にはイングリッド・バーグマン(Ingrid Bergman)、その夫にはシャルル・ボワイエ(Charles Boyer)を起用していてイングリッド・バーグマンはこの作品で初のアカデミー主演女優賞ならびにゴールデン・グローブ賞を受賞しました。AFIが選出した「映画スター・ベスト100」における女優部門ではオードリー・ヘップバーン(Audrey Hepburn)につぐ第4位にランクされています。
映画 『ガス燈(Gaslight)』 original source 1944.
音楽を担当したのはブロニスラウ・ケイパー(Bronislau Kaper)というポーランド出身の作曲家でMGMと専属契約していました。1953年の映画『リリー(Lili)』で使用されている「ハイ・リリー・ハイ・ロー(Hi-Lili,Hi-LO)」によってアカデミー作曲賞を受賞しています。この曲の作詞者はヘレン・ダイッチ(Helen Deutsch)、歌っているのは出演者のレスリー・キャロン(Leslie Caron)とメル・ファーラー(Mel Ferrer)です。
映画 『リリー(LIli)』Hi-Lili,Hi-Lo original source 1953.
また1956年には当初ジェームズ・ディーン(James Byron Dean)が主演に決まっていた映画『傷だらけの栄光(Somebody up There likes Me)』の主題曲も担当しています。主演は急遽、ポール・ニューマン(Paul Newman)に変更されました。
映画 『傷だらけの栄光 』 original sound track 1956.
下にある映画『ガス燈』ポスターはレンタル・サイトのTUTAYAディスカスでこの作品を検索する際に間違えないよう同作品に直接移行いたします。またサイト内には『あらすじ』及び作品情報。スタッフ・キャスト情報が閲覧できます。ユーザー・レビューの募集もおこなっております。ご活用ください。
Your Message