『シェルブールの雨傘』ジェンダーの悲劇をフランス音楽にのせて

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『シェルブールの雨傘』(Les Parapluies de Cherbourg)は1964年のフランス映画で第17回カンヌ・グランプリ受賞作品です。

音楽はミッシェル・ルグランで台詞がすべて楽曲の歌詞になっている完全なミュージカル構成で制作されております。よって同じ曲でも場面ごとに歌詞が変わります。

『シェルブールの雨傘』original sound track 

出演した俳優は全く歌っておらず全て当時のフランス人歌手による吹き替えでカトリーヌ・ドヌーブの音源は存在いたしません。

ゴースト・シンガーを務めたのはダニエル・リカーリという歌手です。(公になっておりクレジットもされています。)

『シェルブールの雨傘よりFINAL』original sound track

主題となっているのは「アルジェリア独立戦争」であり「ジェンダー」であり、それに伴い生まれてきた「愛の子」で、当時のフランス映画ではタブーとされていたテーマをミッシェル・ルグランの楽曲に全ての歌詞を乗せる事、主演のカトリーヌ・ドヌーブの無機質に徹した演技により検閲を免れております。

『シェルブールの雨傘よりガレージの前にて』original sound track

しかしながら、この映画の画面には時系列を表す時刻が印字されており画像とアルジェリア戦争の動向が一致しています。

同様の出来事を映画化した1956年の『ヘッドライト(ジャン・ギャバン主演)』は劣悪な環境の中で非合法の堕胎手術を受け、葬った胎児の幻覚に苦しみながら死んでいく女性を描いており主題曲も非常に暗い楽曲です。

 『ヘッドライト』original sound track

1860年代、プロセインを中心としたドイツ国家の誕生に怯えるフランス国家がたとえ「愛の子=私生児」でも堕胎手術を認めず、人口増加政策を取ったことによる悲劇を映画化したものです。(当時のフランス人口3千500万人に対しドイツ人口3千万人)

この映画の主題曲を作曲したミッシェル・ルグランとその姉であるクリスチャンヌ・ルグランがテレビの音楽番組で共演し歌い上げている音声が残されております。英語タイトルでは「I will want for you」とされています。おそらく1960年代末から1970年初めに録音されたもののようです。

ミッシェル・ルグランと姉の歌手、クリスチャンヌ・ルグランが歌う「I will want for you」

下にある映画『シェルブールの雨傘』のポスターはレンタル・サイトのTUTAYAディスカスでレンタルする時に間違えないよう同映画に直接移行いたします。またサイト内にある「関連動画」ではこの映画の予告編などを無料配信しております。ご活用ください。


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