『 ドラゴン怒りの鉄拳(Fist of Fury)』人種差別の屈辱に鉄拳をふるった伝説的主役

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映画『ドラゴン怒りの鉄拳(Fist of Fury)』は1972年製作、香港では同年に公開されたブルース・リー主演の第2作品目になります。日本での公開は1974年7月20日、ブルース・リー(Bruce Lee)の1周忌の日でした。日本におけるブルース・リー主演作品の公開順は『 燃えよドラゴン 』『 ドラゴン危機一髪 』そして第3弾としてこの『 ドラゴン怒りの鉄拳 』になります。

『 ドラゴン怒りの鉄拳 』 予告編 Trailer 1972.

監督は『 ドラゴン危機一髪(The Big Boss)』と同じくロー・ウェイで、劇中では署長役で出演しています。ブルース・リー演じる主人公の陳真(チェン・ジェン)はこの映画公開後、人種差別に立ち向かう象徴的な名称になりました。

『 ドラゴン怒りの鉄拳 』 opening credits Theme Music  1974.

音楽を担当したのはジェセフ・クー(Joseph Koo)で広東ポップのゴッドファーザーと言われていました。2023年1月3日に89歳で亡くなっています。英語版の主題歌を歌っているのはマイク・レメディオス(Mike Remedios)で『 燃えよドラゴン(Enter the Dragon) 』以外のブルース・リー主演作品すべての歌唱を担当しています。香港公開版、並びに中国版に歌詞はありません。

『 ドラゴン怒りの鉄拳 』opening credits Theme Music 1972.

ヒロイン役には『 ドラゴンへの道 』でも出演したノラ・ミャオ(Nora Miao)が出演していてブルース・リー作品唯一のキス・シーンがあります。ノラ・ミャオはカナダに移住しましたが、現在も現役のタレントとして司会やドラマに出演しています。(2017年の香港テレビ・ドラマが現時点では最後の出演です)

『 ドラゴン怒りの鉄拳 』 Bruce Lee and Nora Miao Kiss Scene 1972.

ブルース・リーはこの映画『 ドラゴン怒りの鉄拳 』で初めてあの「アチョー」という怪鳥音とヌンチャクを取り入れました。近年、発売されている映画『 ドラゴン危機一髪 』に怪鳥音が入っているものがありますが間違い(ミス・メイキング)です。

映画の内容が「日本人に侮辱され続ける中国人」という設定になっていますので日本人武道家の出演が必要であり橋本 力という方が共演しています。橋本氏は元、プロ野球の選手で、引退後は勝(新太郎)プロダクションの所属俳優でした。2017年10月11日に83歳で亡くなっています。(襖を開けて出てくる髭のある男性が橋本 力氏です。)

『 ドラゴン怒りの鉄拳 』 Bruce Lee vs 橋本 力 1972.

ブルース・リーはアメリカ在住時代にテレビ・ドラマである『 グリーン・ホーネット 』に出演して日本人ドライバー兼格闘家の加藤を好演します。このドラマが終了すると東洋人が主演を務めるアクション・ドラマの製作をテレビ局に持ち掛けますが叶いませんでした。失意の中、香港国際空港に帰ってきたリーを待ち受けていたのは『 グリーン・ホーネット』を観ていた香港のファンたちでした。ブルース・リーは自分が香港で有名になっていることを知らなかったのです。この人気に目を付けたのがゴールデン・ハーベストのレイモンド・チョーでした。彼は2本の映画出演の契約書をいっぺんに取り交わしています。この時の契約書が存在していて1枚の用紙にレイモンド・チョーとブルース・リーのサイン、製作会社ゴールデン・ハーベストの印字があります。

『 ドラゴン怒りの鉄拳 』 Ending Scene 1972.

ブルース・リーはこの映画『 ドラゴン怒りの鉄拳 』の撮影を終わらせるとロー・ウェイ監督と袂を分かち、自らコンコルド・プロダクションを立ち上げます。コンコルド・プロダクション初作品が『 ドラゴンへの道 』になります。

『 ドラゴン怒りの鉄拳 』 Movie Clips 1972.

『 ドラゴン怒りの鉄拳 』には3種類のポスターが存在します。すべてを採寸している訳ではありませんが本来のB2判より縦の長さが1.5cm長くて通常のパネルには収まりません。

『 ドラゴン怒りの鉄拳 』 original sound track at Record 1974.

2024年7月20日、ブルース・リーが亡くなって51年になります。彼が生前残した作品はわずかに4つのみですが世紀を超えて根強いファンが多くいます。また海外では差別撤廃の象徴にもなっています。日本では長野県にブルース・リー専門店がございますし、映画関連のコレクションで1番高額なのはブルース・リーのサインです。1度、彼の作品を観てみてください。圧巻です、早いです。カメラが彼のアクションに追いついていけません。当館でも非常に多くのブルース・リー関連のコレクションを所持しています。

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