『シンドラーのリスト(Schindler’s List)』 この物語に必要なのは穏やかで愛情深い楽曲である。
映画『シンドラーのリスト(Schindler’s List)』は1993年のアメリカ作品でホロコーストを描いた代表的な映画と言われています。安い労働力を使って金を得る目的であったシンドラーが、雇用した1100人のユダヤ人の命を救うリストを作成していく心の変化を映像と僅かばかりに抑えた楽曲で編集しています。映画自体はモノラルですが途中で登場する赤い服を着た少女の衣装だけ赤い色を付けていて強調させています、さらにラストのパートはカラー映像になっています。
映画 『シンドラーのリスト 』 予告編 Trailer 1993.
監督と脚本はスティーヴン・スピルバーグ(Steven Spilberg)が引き受け、およそ10年間かけて構想を組み上げました。注目すべきはスピルバーグ監督自身がユダヤ系アメリカ人であること、映画音楽の担当をジョン・ウィリアムズ(John Willams)に依頼したとき本人から「この作品の楽曲は荷が重すぎる、他の適任者を探してほしい。」と断られますが「君以外の適任者がいることは知っている、でもみんな故人だ。」と言い返したエピソードです。
映画 『シンドラーのリスト』Theme Music original sound track 1993.
原作はトーマス・キニーリ(Thomas Michael Keneally)というオーストラリアの小説家が書いた「シンドラーの箱船(Schindler’s Ark)」で現実に起こった史実に沿っています。この「シンドラーの箱船」はイギリスの文学賞であるブッカー賞(Booker Prize)を受賞しました。
映画 『 シンドラーのリスト 』I could have done more 1993.
音楽の担当を任されたジョン・ウィリアムズ(John Williams)は作品を観て一旦は断りましたが、「この映画に必要なのは穏やかで愛情深い楽曲だと思った。」と述べています。スピルバーグ監督もこの作品に関しては「わざとアンダー・スコア(BGMのこと)を挿入させないことで真実さが強調される」手法をとっています。音楽が全くない映像部分が非常に多い作品に仕上げています。
映画 『 シンドラーのリスト 』 Theme from Schindler’s List Reprise
ジョン・ウィリアムズは1971年の映画『屋根の上のバイオリン弾き(Fiddler on the Roof)』で編曲を担当していて、ユダヤ教徒を描いた作品に対する経験から映画『シンドラーのリスト』の音源の音色もユダヤ人の民族性と魂に結び付く楽器としてバイオリンをメインに選びました。演奏者にはイスラエルのバイオリニストであるイツァーク・パールマン(Itzhak Perlman)に依頼しています。
映画 『 屋根の上のバイオリン弾き 』 original sound track 1971.
音楽家ジョン・ウィリアムズ(John Williams)と映画監督スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)は1974年頃の出会っています。1975年には同監督の映画『ジョーズ(Jaws)』の楽曲を提供しアカデミー作曲賞を受賞しました。
映画 『ジョーズ 』 original sound track 1975.
この映画『ジョーズ 』の成功は作曲家ジョン・ウィリアムズの地位を確固たるものにし、スピルバーグ作品のほとんどをジョン・ウィリアムズが作曲することになります。1977年から始まる映画『スター・ウォーズ(Star Wars)』の楽曲もジョン・ウィリアムズで2度目のアカデミー作曲賞を受賞することになります。
映画 『スター・ウォーズ 』 original sound track 1977.
ジョン・ウィリアムズはアカデミー賞ノミネート回数51回、うち作曲賞を4回受賞、編曲賞を1回受賞しています。この『シンドラーのリスト』、1982年の映画『E.T.(E.T.The Extra-Terrestrial)』が受賞作になります。
映画 『 E.T. 』 original sound track 1982.
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