『 ニュールンベルク裁判(Judgment at Nuremberg)』 あの裁判は法廷に入る前、すでに判決は決まっていた。

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映画 『 ニュールンベルク裁判(Judgment at Nuremberg)』は1961年に公開されたアメリカ作品で、法廷ドラマとして非常に意義ある内容の映画となっています。元々はテレビ・ドラマで放映されていた原作をスタンリー・クレイマー(Stanley Kramer)が監督し、さらに原作者のアビー・マン(Abby Mann)も映画化において脚本を担当しています。一部分、歴史とは異なる架空の設定がなされています。

映画 『 ニュールンベルク裁判 』 予告編  Trailer  1961.

1946年5月8日から始まった軍事裁判を映画化したもので、第2次世界大戦における敗戦国ドイツに対する裁判がドイツ、ニュールンベルクでおこなわれたことから「ニュールンベルク裁判」と言います。歴史学的な表記は「ニュルンベルク裁判」です。

映画 『 ニュールンベルク裁判 』opening credits Theme Music  1961.

監督のスタンリー・クレイマーは第2次世界大戦中は軍用映画を製作していました。原案と脚本はアビー・マン、音楽を担当したのは1960年の映画『 栄光への脱出(Exodus)』の作曲家アーネスト・ゴールド(Ernest Gold)です。

映画 『 栄光への脱出 』 opening credits Theme Music 1960.

この映画 『 ニュールンベルク裁判 』は現在でも法曹界にいる者、法曹界を目指す人にとっては観るべき作品とされています。主題は「ナチスの人道に反する法のもとでおこなわれた大罪を裁けるものなのか?」というところにあります。

映画 『 ニュールンベルク裁判 』リリー・マルレーン  by Marlene Dietrich  1961.

ナチス・ドイツにおけるニュールンベルク法と断種の2点に絞っておこなわれた裁判の記録を映画化しています。ニュールンベルク法とはユダヤ人を第2級(下級の意味)の市民と位置付ける公民法と、ユダヤ人とアーリア人の結婚、性交を禁じた法律のことです。断種は優生保護法とほぼ同じですが、拡大解釈されナチスに逆らう政治的思想家も該当しました。

この映画『 ニュールンベルク裁判 』の出演者は非常に豪華なキャスティングがされスペンサー・トレイシー(Spencer Tracy)、バート・ランカスター(Burt Lancaster)、リチャード・ウィドマーク(Richard Widmark)、マクシミリアン・シェル(Maximillian Schell)、マレーネ・ディートリヒ(Marlene Dietrich)、ジューディ・ガーランド(Judy Garland)、モンゴメリー・クリフト(Montgomery Clift)が出演しています。第34回アカデミー賞において12部門にノミネートされ、マクシミリアン・シェルが主演男優賞受賞、脚色のアビー・マンもオスカーを受賞しました。

映画 『 ニュールンベルク裁判 』 Film  Lili Marleen  1961.

映画の中で歌われたリリー・マルレーン(Lili Marleen)はドイツの歌手、ララ・アンデルセン(Lale Andersen)が1932年にレコーディングしヒットした曲です。作詞はハンス・ライプ(Hans Leip)、作曲はノルベルト・シュルツェ(Norbert Schultze)です。ララ・アンデルセンと親しい関係にあったロルフ・リーバーマン(Rolf Liebermann)という男性の音楽家がユダヤ人であったという理由で原盤は廃棄され、ララ・アンデルセンも歌手活動ができなくなりました。

ララ・アンデルセンが歌うリリー・マルレーン  Lili Marleen by Lala Andersen

『 ニュールンベルク裁判 』の焦点はナチスが作った法律に基づき、忠実に処刑を実行した裁判官たちを殺人犯として問えるのか。問うとしたら大義はどこに落とせるのかにあります。映画のラストにその答えがあります。

この映画『 ニュールンベルク裁判 』はTSUTAYAディスカスでは見つけられません。サイト内の検索ワードで「ニュールンベルク」でおこなうと2作品が紹介されますが、どちらも本作品ではございません。また、出演者のジューディ・ガーランド、モンゴモリー・クリフトはこの作品出演後の40歳代で亡くなっていて晩年の主要作品となります。画像はallcinemaにリンクさせて頂きましたがDVDでの発売はされています。

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