『 ゾラの生涯(The Life of Emile Zola)』芸術家は貧しくなければ良い作品が作り出せない。

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エミール・ゾラ(Émile Zola)はフランスの作家で1840年生まれ。おもな著書に「ジェルミナール」「居酒屋」「ナナ」があり、特に1877年に発表された「居酒屋(L’assommoir)」はアルコール障害で破滅していく家庭を描いた作品で、ヒット作になりましたが批評は二分され、ゾラ自身の人生をも変えた作品になりました。

映画 『 ゾラの生涯 』 予告編 Trailer  1937.

この映画『 ゾラの生涯(The Life of Emile Zola) 』は作家エミール・ゾラの半生を描いた伝記的な作品で1937年のアメリカ作品になります。売れない作家、エミール・ゾラと売れない画家のポール・セザンヌ(Paul Cézanne)が同居していた事実からこの映画は始まります。

映画 『 ゾラの生涯 』 original sound track  1937.

先に知名度を得たのは作家ゾラでした。小説「ナナ(Nana)」がベスト・セラー作品となり、芸術を作り上げる環境の変化がセザンヌとは違っていきます。ドレフュス事件(Affaire Dreyfus)でスパイ容疑で逮捕されたアルフレッド・ドレフュス(Alfred Dreyfus)の冤罪を明らかにするためエミール・ゾラは「我弾劾す(J’accuse !)」というタイトルで始まる公開状をフランスの新聞社オーロールに寄稿しました。1898年1月13日に発行されています。この行為によってゾラ自身も冤罪を受けてしまいイギリスに亡命することになります。

映画 『 ゾラの生涯 』 Film  1937.

監督はウィリアム・ディターレ(William Dieterle)、作家ゾラを演じたのはポール・ムニ(Paul Muni)です。マーロン・ブランドがもっとも尊敬する俳優として名前を挙げています。また助演男優のジョセフ・シルドクラウト(Joseph Schildkraut)はこの作品によって第10回アカデミー助演男優賞を受賞しています。音楽を担当したのは1959年の映画『 避暑地の出来事(A Summer Place)』のマックス・スタイナー(Max Steiner)です。

映画 『 避暑地の出来事 』 original sound track  1959.

「我弾劾す」は現在「私は弾劾する」と現代表記で解説されています。フランス語ではJ’accuse…!と表記され、当時のフランス大統領フェリュック・フォールに宛てた告発文章です。当時の印刷物は現存しています。エミール・ゾラはこの告発により自分自身が名誉棄損で告発されるように仕組みました。世論を動かすための行為と言えるでしょう。このゾラの行為そのものが映画の冒頭で描かれているポール・セザンヌとの同居にあります。「芸術家とは如何にあるべきか。」を行動してみせた半生でした。

下にある映画 『 ゾラの生涯 』の画像はレンタル・サイトのTSUTAYAディスカスにおける同作品に直接移行いたします。サイト内にはスタッフ・キャスト情報、あらすじ、レビュー投稿文章もございます。とくに投稿文タイトル「いったい、ユダヤ人て、なあに?」を書かれた方の文章は的を得ていて素晴らしい内容です。ご参考にしてください。

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