『いそしぎ（The Sandpiper）』幼鳥はかたくなな牧師の心をうつろわせ大空に羽ばたいていった。

公開日：2021/08/08 最終更新日：2022/10/01

エリザベス・テイラー（Dame Elizabeth Rosemond Taylor）とリチャード・バートン（Richard Burton）の結婚後、最初の共演作になる映画『いそしぎ（The Sandpiper）』は1965年のアメリカ作品です。

映画『いそしぎ』予告編 Trailer 1965.

なににも縛られることなく自由奔放に生きていく美しい女流画家をエリザベス・テイラー（ Elizabeth Rosemond Taylor） が演じていて、リチャード・バートン（ Richard Burton） 演じる実直な牧師の心情の変化を海岸で拾い、保護した幼鳥「いそしぎ」の成長を通して描いています。

映画『いそしぎ』 opening Credit Theme Music 1965.

監督はヴィンセント・ミネリ（Vincente Minnelli）で音楽を担当したのは作曲：ジョニー・マンデル（Johnny Mandel）、作詞：ポール・フランシス・ウェブスター（Paul Francis Webster）です。動画中ではジャック・シェルドン（Jack Sheldon）のトランペット・ソロ演奏が使われています。

映画『いそしぎ』より The Shadow of Your Smile original sound track 1975.

作曲者であるジョニー・マンデル（Johnny Mandel）は1940年代からトランペット奏者としてジャズの世界で活躍していて、この映画『いそしぎ（The Sandpiper）』の楽曲The Shadow of Your Smileによりアカデミー歌曲賞を受賞しました。1964年の映画『卑怯者の勲章（The Americanization of Emily）』の主題曲「エミリー（Emily）」もジョニー・マンデルが作曲しています。

映画『卑怯者の勲章』 original sound track 1964.

映画『卑怯者の勲章』に主演したジュリー・アンドリュース（Dame Julie Andrews）、ジェームズ・ガーナー（James Garner）ともに自身の出演した作品の中で1番好きな映画だそうです。

エリザベス・テイラー（Elizabeth Taylor）とリチャード・バートン（Richard Burton）は1963年の公開の映画『クレオパトラ（Cleopatra）』での共演がきっかけとなり結婚しました。ただし、この時は両者とも家庭ある身でした。

映画『クレオパトラ』 original sound track 1963.

映画『クレオパトラ』は興行的には失敗し製作・配給会社の20世紀フォックスは破産寸前な状態に陥ります。想定外の製作費用やエリザベス・テイラーのギャランティーと撮影期間の延長などが要因でした。この20世紀フォックスの窮地を救ったのが映画『サウンド・オブ・ミュージック（Sound of Music）』の記録的大ヒットでした。

映画『サウンド・オブ・ミュージック』 opening Theme original sound track 1965.

映画『いそしぎ』はエリザベス・テイラーが32歳から33歳のときに撮影されたもので、それまでのような若さと美貌を前面に出した女優としての限界を感じていました。1964年には撮影された映画はなく、夫であるリチャー＾ド・バートンと相談し女優としての路線を「大人の女性：のイメージに切り替えます。この結果、生まれた映画が1966年の『バージニア・ウルフなんかこわくない（Who’s Afraid of Virginia Woolf? 』であり1967年の映画『じゃじゃ馬ならし（The Taming of the Shrew / La Bisbetica domata）』になります。

映画『バージニア・ウルフなんかこわくない』 original sound track 1966.