『 赤い風車(Moulin Rouge)』ポスターというリトグラフを芸術作品にした小さき男の晩年

公開日:  最終更新日:2022/07/04

フランスの画家、アンリ・ド・トゥルーズ=ロートレック(Henri Marie Raymond de Toulouse-Lautrec-Monfa)の晩年を描いた1952年のイギリス作品が映画『赤い風車(Moulin Rouge)』になります。製作、監督、脚本のすべてをジョン・ヒューストン(John Huston)がおこなっています。原作はピエール・ラミュール(Pierre La Mure)の同名小説です。

映画 『 赤い風車 』 予告編 Trailer 1952.

ロートレック(Toulouse-Lautrec もしくは単に Lautrecと略すことが多い)は伯爵家に生まれ、なに不自由なく育ちましたが13歳のときに遺伝性と思われる大腿骨の骨折を発症し、以降、下半身の発達が止まってしまいました。身体的な差別を受けたことで境遇を相容れる夜働く女性たちに共感しパリのモンパルナスにあるキャバレー「ムーラン・ルージュ(Moulin Rouge)」に通っては踊り子たちを描き喜ばれました。

映画 『 赤い風車 』 ムーラン・ルージュの歌  original source  1952.

音楽を担当したジョルジュ・オーリック(Georges Auric)が作曲したものにジャック・ラリュー(Jacques Larue)というフランスの詩人が歌詞をつけました。映画で使用されている歌詞は英語でウィリアム・エンヴィック(William Engvick)が書きました。タイトルはWhere is your heartと名付けています。また映画の中では「キャバレー ムーラン・ルージュ」のスター歌手を演じたザ・ザ・ガボール(Zsa Zsa Gabor)が歌っていますが、これは吹き替えで実際に歌っているのは踊り子として出演しているミュリエル・スミス(Muriel Smith)が歌っています。

映画 『 自由を我等に 』 original sound track  1931.

ジョルジュ・オーリック(Georges Auric)は「フランス六人組(Les Six)」の1人でジャン・コクトー(Jean Cocteau)が映画製作を始めると映画音楽を作曲するようになります。1931年のフランス映画『自由を我等に(À nous la liberté)』や1935年の名作『ローマの休日(Roman Holiday)』はジョルジュ・オーリックが作曲しています。

映画 『 ローマの休日 』 original sound track  1935.

1958年に公開されたフランソワーズ・サガン( Françoise Sagan )原作の映画『 悲しみよこんにちは(Bonjour Tristesse)』の音楽を担当したのもジョルジュ・オーリックです。

映画『 悲しみよこんにちは original sound track  1958.

ムーラン・ルージュは1889年、パリのモンマルトにオープンしたキャバレーで赤い建築物の上方に風車があり、今でも観光の名所として存在し続けています。1954年のフランス映画『 フレンチ・カンカン(French Cancan)』も舞台はキャバレー・ムーラン・ルージュです。一説によるとフランスの建造物を舞台にイギリスが映画を制作したことに対抗心があったそうです。

映画 『 フレンチ・カンカン 』 モンマルトの丘(La Complainte de la butte) original source 1954.

下にある映画『 赤い風車 』ポスターはレンタル・サイトのTUTAYAディスカスでこの作品を検索する際に間違えないよう同作品に直接移行いたします。またサイト内には『あらすじ』及び作品情報、スタッフ・キャスト情報が閲覧できます。ご活用ください。

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