『オーケストラの少女(One Hundred Men and a Girl)』ラスト・シーンは少女Deanna Durbinのうたう「乾杯の歌」

公開日:  最終更新日:2021/01/23

映画[『オーケストラの少女(One Hundred Men and a Girl)』は1937年のアメリカ作品で動画中にクラシック音楽を挿入した、いわゆるクラシック音楽を次世代に繋ぐ目的でつくられた映画です。フィラデルフィア管弦楽団の指揮者であったレオポルト・ストコフスキー(Leopold Antoni Stanislaw Boleslawowicz)を招き製作された本格的な音楽作品であり、ミュージカル作品ではありません。

映画 『 オーケストラの少女 』 It’s Raining Sunbeams 1937.

タイトルの100Menは失職中の楽器演奏者を指していて、主人公の父親を含めた100人構成のオーケストラを成功させるために、娘である少女が指揮者ストコフスキーのもとに忍び込み美声で歌をうたい聴かせ指揮を振ってもらえるという内容の映画です。

映画『オーケストラの少女』の主題歌はIt’s Raining Sunbeams というタイトルで作詞:サム・コスロウ(Sam Coslow)、作曲:フレデリック・ホランダー(Frederick Hollander)です。ストコフスキーが父親の作ったオーケストラの指揮を執り、娘バジー(ディアナ・ダービン:Deanna Durbin)が動画中で歌うのはジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi)が1853年に発表したオペラ「椿姫(La traviata)」の「乾杯の歌(Libiamo ne’ lieti calici)」もしくは「酌み交わそう、喜びの酒杯を」といいます。

映画 『 オーケストラの少女 』 「乾杯の歌(Libiamo ne’ lieti calici)」

監督はヘンリー・コスター(Henry Koster)、音楽を担当したのはチャールズ・プレヴィン(Charies Previn)です。主演で歌をうたっているのは娘役を演じたディアナ・ダービン(Deanna Durbin)で父親役にはアドルフ・マンジュウ(Adolphe Jean Manjor)、ストコフスキーは本人が出演し実際に指揮を執っています。

主題曲であるIt’s Raining Sunbeamsの作曲者であるフレデリック・ホランダー (Frederick Hollander) はイギリス・ロンドン出身の作曲家で1954年公開、オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)が主演した映画『麗しのサブリナ(Sabrina)』の音楽を担当しています。この映画のなかでエディット・ピアフ(Édith Piaf)が作詞し、ルイ・グルーミェ(Louis Guillaume Guglielmi)が作曲した「バラ色の人生(La vie en rose : ラ ヴィ エン ローズ)」をオードリー・ヘプバーン (Audrey Hepburn) 自身の歌声で聴くことができます。

映画 『 麗しのサブリナ 』 La vie en rose original source 1954.

映画『オーケストラの少女(100 Men and a Girl)』の監督であるヘンリー・コスター(Henry Koster)はドイツ・ベルリン生まれのユダヤ人でありナチスの迫害を恐れてフランスへ渡り、さらにアメリカにたどり着き1936年、破産寸前であったユニバーサル・スタジオと監督として契約をします。

映画 『天使の花(Three Smart Girls)』 original source 1936.

ディアナ・ダービン(Deanna Durbin)を主演に起用した1936年の映画『天使の花(Three Smart Girls)』を製作し大ヒットさせます。さらに翌年には今回の映画『オーケストラの少女』を大ヒットさせユニバーサル・スタジオを経営困難から脱出させました。ディアナ・ダービンにとってもMGMとの契約を一方的に解約されたばかりで映画『天使の花』によって女優の道が開けたと言ってよいでしょう。『天使の花』の音楽を担当したのはブロニスラウ・ケイパ(Bronisław Kaper)です。

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