『抱擁(The Joker is Wild)』 アルコールに翻ろうされていく人生を歌にこめて

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映画『抱擁(The Joker is Wild)』は伝説的なギャングのボスであったアル・カポネ(Al Capone)に声帯を切られたことによって歌手からコメディアンへ人生を変えていったジョー・E・ルイス(Joe E.Lewis)をモデルにした1958年のアメリカ作品です。医師から「アルコールを辞めなければ命を落とすことになる。」と宣言されても人生を変えることができず幾度とない切ない別れを繰り返していく男を描いています。

映画 『 抱擁(The Joker is Wild)』 予告編 Trailer 1958.

監督はチャールズ・ヴィダー(Charles Vidor)、アルコールに溺れる歌手ジョー・ルイスをフランク・シナトラ(Frank Sinatra)が演じています。ほかミッチー・ゲイナー(Mitzi Gaynor)、エディ・アルバート(Eddie Albert)が出演しています。エディ・アルバートは映画『ローマの休日(Roman Holiday)』でアン王女を隠し撮りするカメラマン役を演じた俳優です。

映画 『抱擁 』 All The Way 1958.

主題曲として歌われているオール・ザ・ウェイ(All The Way)は作曲:ジミー・ヴァン・ヒューゼン(Jimmy Van Heusen)、作詞:サミー・カーン(Sammy Cahn)のコンビによる楽曲でアカデミー歌曲賞を受賞しました。アルコールの入ったグラスを片手に持ちながら歌うフランク・シナトラの絶句するシーンが印象深い作品です。

作曲者のジミー・ヴァン・ヒューゼンは1944年の映画『我が道を往く(Going My Way)』の作曲を担当し、主題曲である「星にスイング(Swinging on a Star)」で初のアカデミー歌曲賞を受賞しています。この楽曲の作詞はジョニー・バーグ(Johnny Burke)です。

映画 『 我が道を往く 』よりSwinging on a Star 1944.

映画 『 わが道を往く 』 Going My Way  1944.

ジミー・ヴァン・ヒューゼンの本名はエドワード・チェスター・バブコップ(Edward Chester Babcock)といいアメリカのニューヨークで生まれた作曲家です。元々はアナウンサーでありピアニストを経て作曲家になりました。アカデミー賞を4回受賞していて1959年の映画『波も涙も暖かい(A Hope in the Head)』の主題歌」である「ハイ・ホープ(High Hope)」で3度目のアカデミー歌曲賞を受賞しました。この曲の作詞もサミー・カーンです。

映画 『波も涙も暖かい』 High Hope 1959.

映画 『 無責任と呼んでくれ (Call Me Irresponsible)』 1962.

1962年の映画『無責任と呼んでくれ(Call Me Irresponsible)』もジミー・ヴァン・ヒューゼン作曲、サミー・カーン作詞による映画音楽であり1963年のアカデミー歌曲賞受賞作品です。

ここで紹介した映画『抱擁(The Joker is Wild)』はレンタル・サイトのTUTAYAディスカスでは取り扱いがございません。同名の映画作品が存在しますが全く違う映画です。

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