『エデンの東(East of Eden)』輝き続ける愛憎の詩情 ジェームズ・ディーン
1955年公開の『エデンの東(East of Eden)』はエリア・カザン(Elia Kazan)監督作品です。出演は新人俳優だったジェームズ・ディーン(James Dean)、ジュリー・ハリス(Julie Harris)、厳格な父親にレイモンド・マッセイ(Raymond Massey)、母親役のジョー・ヴァン・フリート(Jo Van Fleet)です。ジョー・ヴァン・フリートは本作品においてアカデミー助演女優賞を受賞していますが、映画『 エデンの東 』の楽曲はノミネートもされていません。(この年のアカデミー歌曲賞は「慕情」でした。またのちに映画「ゴースト/ニューヨークの幻」で使用されるアンチエイドがノミネートされています。)
1951年の『欲望という名の電車(A Streetcar Named Desire)』ではヴィヴィアン・リー(Vivien Leigh)とマーロン・ブランド(Marlon Brando)を起用、さらに1954年の『波止場(On the Waterfront)』でマーロン・ブランドを初めて主役に抜擢し、アカデミー主演男優賞に輝かせています。
映画 『 エデンの東 』 opening credits Theme Music 1955.
『エデンの東』の主役もマーロン・ブランドにオファーする予定でしたが、エリア・カザンは無名であったジェームズ・ディーン(James Byron Dean)の演技力に目をつけ主演として起用し、アカデミー主演男優賞のノミネートまでたどりつかせました。
映画 『 エデンの東 』 Give me a good life (アドリブによる演技を含むシーン)
ジェームズ・ディーンは生前『エデンの東(East of Eden)』で主演男優賞ノミネート、亡くなったあとも『理由なき反抗(Rebel Without a Cause)』と『ジャイアンツ(Giant)』でアカデミー賞にノミネートされた唯一の俳優です。(合計、3回のノミネートを受けていますが最優秀賞はありません。)
主題曲の作曲者はレナード・ローゼンマン(Leonard Rosenman)です。ビクター・ヤング(Victor Young)はオリジナル・サウンド・トラック盤ではありません。ビクター・ヤング盤はラジオ局である文化放送の番組「 ユア・ヒット・パレード 」において1956年から翌年1957年まで毎週、リクエスト投票数の第1位に輝き、年間別でも1958年まで3年連続1位のリクエスト曲になりました。
ビクター・ヤング盤『エデンの東』
レナード・ローゼンマンによる『EAST OF EDEN』original sound track
エリア・カザンという監督は新人発掘にかけては第1人者でしょう。『エデンの東』以前にジェームズ・ディーンは脇役で5本出演作がありますがクレジットされているのは1本のみです。
レタスの輸出事業で失敗した父親に現金を渡そうとする映像はジェームズ・ディーンのアドリブをそのまま使用しています。(カメラのセッティングが斜めになってしまった。)また役作りのため、父親役であったレイモンド・マッセイ(Raymond Massey)と撮影現場で挨拶は一切せずに異端児をつらぬいています。 スタッフやキャストの全員がプロ意識の上に映像化され今日に残された名画です。
『エデンの東』予告編 East of Eden Trailer 1955年
映画 『理由なき反抗 』 original sound track 1955.
映画 『ジャイアンツ』 original sound track 1956.
映画 『欲望という名の電車』 original sound track 1951.
映画 『 波止場 』 original sound track 1954.
映画 『 エデンの東 』 Talk to Me, Father 1955.
『 エデンの東 』は映画版以外に1981年にはアメリカでテレビ・ドラマ化されています。
下段の『エデンの東』ポスターはTUTAYAディスカスでレンタルする際に同様タイトルのものと間違えないように直接リンクがされており、また「関連動画」内では本編予告編が無料で鑑賞できます。
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