『夕陽のガンマン(For a few Dollars More)』 イタリア製西部劇の第2弾
マカロニ・ウエスタンとは日本でのみ通用する造語であり1960年代から1970年代にイタリアで製作された西部劇のことをSpaghetti Westernといいます。西部劇をイタリアで作ることを思い付いたのはこの映画の監督であるセルジオ・レオーネ(Sergio Leone)であり、ヒントとなった作品は黒澤明監督の映画『用心棒』になります。
第1作品目となる映画『荒野の用心棒(A Fistful of Dollars)』は1964年制作、音楽を担当したのはエンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone)です。
映画『荒野の用心棒』 original sound track 1964年
セルジオ・レオーネ監督と音楽家エンニオ・モリコーネのコンビは1984年の映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(Once Upon a Time in America)』まで続きます。
映画『夕陽のガンマン』 original sound track 1965年
セルジオ・レオーネ自身、まったく評価されていない人物でしたが1961年の日本の映画『用心棒』を観て「この映画を西部劇風に作り変えてみる。」と決断し、ここにSpaghtti Western、いわゆるマカロニ・ウエスタンという新しいカテゴリーが誕生します。
この2作品のヒットによりセルジオ・レオーネは一大巨匠の仲間入りをはたし1966年にはスペクタル巨編として映画『続・夕陽のガンマン(The Good,the Bad and the Ugly)』が制作されます。
映画『続・夕陽のガンマン』 original sound track 1966年
舞台は南北戦争時代のアメリカ荒野であり前2作品とはスケールが大きく違いマカロニ・ウエスタンの枠を超えています。この3作品を「ドル箱三部作」と言い主演はすべてクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)です。
当初、主演にはテレビ・ドラマ『ローハイド』のエリック・フレミング(Erik Fleming)を起用する予定でしたが、出演料の低さから拒否され、またクリント・イーストウッドも『ローハイド』の撮影に疲れ果てていて一旦はオファーを辞退します。しかし、手にした脚本を10ページばかり読み進めた時に日本映画『用心棒』のリメイクに気が付いたのです。クリント・イーストウッドは『ローハイド』では准主演を演じましたが映画界での評価は低く出演料も決して高額な俳優ではありませんでした。
映画『夕陽のガンマン(For a few Dollars More)』予告編 Trailer 1965年
音楽を担当したエンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone)はセルジオ・レオーネ監督とのコンビを最後まで貫き1984年制作の映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(Once Upon a Time in America)』まで曲を提供し続けました。この映画がセルジオ・レオーネ監督の遺作となります。
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』original sound track
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』より
「Debora’s Theme」original sound track 1984年
1989年には映画『ニュー・シネマ・パラダイス(Nuovo Cinema Paradiso)』の音楽を担当し主題曲Cinema Paradisoは各国でカバーされている名曲となりました。
映画『ニュー・シネマ・パラダイス』 original sound track 1989年
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