『燃えよドラゴン』 Don’t Think Feel
1973年7月29日、アメリカ、チャイニーズ・シアターで1本の名も無き東洋人の映画が上映されました。題名は「Enter The Dragon」邦題、『燃えよドラゴン』です。今までに無かったアクション映画であり、カーチェイスも銃の撃ち合いもないまったく新しいカンフー映画とヒーローの誕生でした。そしてこのニューヒーローがわずか9日前にこの世を去っている事実に愕然としたのです。
映画『燃えよドラゴン』 original sound track 1973年
この映画のセリフである「Don’t Think Feel・・・(考えるな、感じるんだ)」は宮本武蔵の著書「五輪書」から引用されています。またブルース・リー(Bruce Lee)が生前残した4本の映画で唯一、本人による台詞収録作品でもあります。
映画 『 燃えよドラゴン 』 1973. ブルース・リー 生前 最期の撮影シーン
上記映像における補足: ブルース・リーはバク宙回転はしていませんのでスタントによるものです。対戦相手がギブ・アップ後の映像は公開時にはカットされています。
他、3作品は吹き替えによるものでブルース・リーの声が聴けるのはこの『燃えよドラゴン』だけです。
映画『燃えよドラゴン』 予告編 Trailer 1973年
撮影がすべて終わり編集された作品を通してみて「出だしの部分が物足りない」と気が付き再度、撮影が追加されています。ブルース・リー生前のラスト・カットがこの映画の冒頭部になります。明らかに疲弊した容姿がうかがえます。
主題曲を担当したのはテレビ・ドラマ『スパイ大作戦』のラロ・シフリン(Lalo Schifrin)です。
ブルース・リーは1971年、香港に帰国すると自身がアメリカで出演していたテレビ・ドラマ『グリーン・ホーネット(The Green Hornet)』が放送されていて自分が俳優として知名度を持っている事に気が付いたのです。1枚の契約書で2作品の出演にサインしています。なお、映画『グリーン・ホーネット』は死後、編集され映画版になった作品です。
映画『グリーン・ホーネット』 original sound track
映画『ドラゴン危機一髪』 original sound track 1971年
映画『ドラゴン危機一髪』To Be a Man 1971年
映画 『 ドラゴン危機一髪(The Big Boss)』の音源は権利侵害申し立てのため個人でのアップ・ロードはできません。
映画『ドラゴン怒りの鉄拳』 original sound track 1972年
映画『ドラゴン怒りの鉄拳』 Opening Credit Theme 1972年
ブルース・リーは2本の映画を撮り終えると独立プロダクションを立ち上げ映画『ドラゴンへの道(The Way of the Dragon)』を製作します。コンコルド・プロダクション最初の作品です。彼の「完璧主義」志向からロー・ウェイ監督との間に確執が生じてしまった結果です。
映画『ドラゴンへの道』 original sound track 1972年
映画『ドラゴンへの道』 Opening Credit Theme 1972年
コンコルド・プロダクションの第2段として映画『死亡遊戯(The Game of Death)』の構想をスタートさせ、この映画のラストシーンとなる格闘部から撮影が始まったのですが、この時、ハリウッドからまったく新しいアクション映画のオファーが入り、彼の夢であったアメリカでの映画出演を優先したことで撮影は中断を余儀なくされたのです。そしてこの映画の再スタートはかなわなかったのです。
映画『死亡遊戯』Opening Credit Theme 1978年
ブルース・リーが亡くなって5年、映画『燃えよドラゴン』の監督であるロバート・クローズ(Robert Clouse)が残された格闘部分のフィルムにシナリオを付けたして完成させました。この映画中にはブルース・リー本人の遺体が収録されています。
映画『死亡遊戯』 ブルース・リー自身が制作した部分のみの映像
20世紀を飾った映画が数十万本あるなかブルース・リーほど「彗星のように現れて・・・」という言葉があてはまる俳優はいないでしょう。中国、香港での評価は俳優ではなく「神様」だそうです。またボツニア・ヘルツェゴビナでは民族和解の象徴として銅像が設立されたことがあります。
下にある映画『燃えよドラゴン』ポスターはレンタル・サイトのTUTAYAディスカスでレンタルする際に間違えないよう同映画に直接移行いたします。またサイト内にある「関連動画」ではこの映画の一部が無料配信されております。ご活用ください。
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