『悲しみは星影と共に(Andremo in Citta)』 光を求めた列車の終着駅
映画『悲しみは星影と共に(Andremo in Citta)』は1965年制作・公開のイタリア映画で、主演にはチャールズ・チャップリンの娘、ジェラルディン・チャップリン(Geraldine Chaplin)、相手役の恋人には映画『シェルブールの雨傘(Les Parapluies de Cherbourg)』のニーノ・カステルオーヴォ(Nino Castelnuovo)がキャスティングされています。ジェラルディン・チャップリン、21歳の時の出演作品になります。
映画『悲しみは星影と共に』opening scene 1965.
音楽を担当したのはユーゴスラビア人作曲家のイヴァン・バンドール(Ivan Vandor)で全くの無名新人音楽家でした。
映画『悲しみは星影と共に』original sound track 1965年
ジェラルディン・チャップリンは1965年のアメリカ・イタリア合作映画『ドクトル・ジバゴ(Doctor Zhivago)』に出演し、女優として本格的な活動を始めますが父であるチャールズ・チャップリン(Sir Charles Spencer Chaplin)の映画『ライム・ライト(Limelight)1952年』のオープニングに出演しています。
映画『ドクトル・ジバゴ (Main Theme)』original sound track 1965年
映画『ライム・ライト』より「エターナリー」 1952年
映画『シェルブールの雨傘』original sound track 1964年
両眼性幼児性白内障が原因で目の見えない弟を演じたのはフェデリコ・スコロボーニャ(Federico Scorobogna)でこの映画『悲しみは星影と共に』が初の出演になります。名子役のイメージがありますがこれ以降、ほとんど出演作はありません。
イタリア映画であるにもかかわらず舞台は旧ユーゴスラビア、現在のセルビアになります。イタリア人俳優も全く出演しておらず製作国であるイタリアでは全く評価のない作品です。
ナチス・ドイツはドイツ兵士1名の戦死に対し100人、1名の負傷者が出たときには50人の虐殺を宣言し実行しました。結果、その対象となり殺害された共産主義者とユダヤ人男性は3万人にのぼり、ベルリンから持ち込まれた移動式一酸化炭素殺人ワゴン車には女性、子供の区別なく連れて行かれたそうです。
この映画の主人公である姉弟が列車で運ばれた行き先もこの殺害ワゴン車であろうと予想されます。映画のラストのセリフ「いま、橋を渡っているの・・・住宅が見えてきたわ、いっぱい、昼も夜も光に溢れている、きっと気に入るはずよ、なにもかも・・・」列車内で弟に話しかける姉の言葉で映画は終わります。
映画 『 悲しみは星影と共に 』 Ending Fulm Scene 1965.
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